一般社団法人デサイロ(De-Silo)は、人文・社会科学分野の研究者を伴走支援し、社会との多様な接点をつくるアカデミックインキュベーターです。
研究により生み出される知は、いま私たちが生きている時代を読み解く、あるいは社会がこれから直面する課題発見のための重要なリソース(資源)であるはず──。こうした視点に基づき、「いま私たちはどんな時代を生きているのか」を研究者とともに探り、そのなかで立ち現れるアイデアや概念を頼りに、来るべき社会の探索と構想を目指します。
また、そうした研究“知”を豊かにするために、大学、研究所、企業、行政、出版・メディア、そして生活者といった多様なステークホルダーと連携しながら、社会のコモンズとしての「研究」とそれを取り巻くエコシステムを支えていきます。
人文・社会科学の分野では、常勤職のポスト減少やキャリアパスの不透明さを背景に2021年の大学院進学率が人文科学4.1%、社会科学2.2%に留まるなど、社会的意義が認められづらく、予算獲得も難しい現状があります。2014年には、文部科学省から通達された「教員養成系、人文社会科学系学部の廃止や転換」が大きな議論の種ともなりました。
こうした苦況に立たされる現代日本の人文・社会科学における重要課題として、「サイロ化(=組織やシステムなどが連携せずに孤立してしまう状態)」があるとわたしたちは考えています。
人文・社会科学の生み出す知についてのアカデミア外での認識が十分になされておらず、企業やNPO/NGOといった民間機関、あるいは国・行政といったアカデミアの外のステークホルダーと、アカデミアの間での連携や人材の行き来が活発に起こっていない。結果として過度な専門分化や研究者のキャリアの不安定さ、研究環境の停滞が引き起こされてしまっている。
このような人文・社会科学の置かれる「サイロ化」という現状を打開(=De-Silo)するべく、デサイロは立ち上がりました。
デサイロは、人文・社会科学分野の研究者を伴走支援し、持続的な活動をサポートします。研究と社会の接点を探り、多様なステークホルダーと連携した研究“知”の活用や、アカデミア外に広がる研究者のキャリアデザインを支援します。
持続的な研究活動のための資金調達やキャリアデザイン、新しい研究評価の枠組みの検討まで──研究エコシステムを豊かにするためのプロジェクト組成や、調査報告レポートの作成に取り組みます。